中国の習近平国家主席が訪問中の香港で２９日夜、ノーベル平和賞を受賞した中国人の民主活動家の即時釈放を求める市民集会が開かれた。

　中国への返還２０年を来月１日に控えた香港では、記念式典に参加する習主席が現地入りし、厳戒態勢がしかれている。

　一方、香港中心部では劉暁波氏の即時釈放を求める集会が開かれた。参加した人々は、「劉暁波氏を釈放しろ！」「劉暁波氏に自由を！」と声を上げて訴えた。

　劉暁波氏は、中国の一党独裁の廃止を訴え、服役中の２０１０年にノーベル平和賞を受賞し、先月、ガン治療のため仮釈放された。

　集会には市民ら３００人以上が参加し、中国政府に対し、劉氏を即時に釈放するよう訴えた。

　一方、中国当局は「劉氏の肝臓ガンが全身に転移している」と発表した。「劉氏は専門的な治療を受けてきていて、家族とも面会できている」と主張していて、劉氏に関する内外の批判をかわす狙いがあるとみられる。