難航必至…イギリスとEUの離脱交渉始まる
EU(=ヨーロッパ連合)離脱をめぐるイギリスの国民投票から1年。イギリスとEUによる離脱交渉が19日、ようやく始まった。しかし、交渉が難航するのは必至だ。
がっちりと握手を交わしたイギリスとEUの交渉担当者だが、笑顔とは裏腹に、双方の間には大きな溝がある。焦点となっているのは、「離脱するための条件」と「離脱後の通商関係」だ。
交渉期間が原則2年しかないことから、イギリスはこの2つを並行して議論したいとしているが、EUはまず「離脱の条件」だけを議論したいとしている。
議論の中身でなく進め方でこの数か月、対立してきた両者は、結局、歩み寄ることのないまま交渉初日を迎えた。
EU・バルニエ首席交渉官「イギリスのEU離脱は、秩序あるものにしなければならない」
イギリス・デービス離脱相「イギリスは単一市場から抜けるので、自由貿易協定などを結ぶ必要がある」
一方、今月の総選挙に敗れ議席を減らしたメイ首相は、ロンドンの高層マンション火災の対応でも失点を重ね、政治的な「力」を失っている。
メイ首相がイギリスの離脱戦略をしっかりまとめられるのか、疑問視する見方もある中で、交渉の残り時間だけが刻一刻と短くなっている。