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“関税撤廃”に生産者懸念 日EU貿易交渉

2017年6月19日 18:10
“関税撤廃”に生産者懸念 日EU貿易交渉

 今後、ヨーロッパ産のチーズやワインが安くなるかもしれない。19日から、日本とEUの自由貿易をめぐる全体交渉がスタートし、さらにマグロや豚肉の関税も議題にあがっている。食卓はどう変わるのか。一方で、生産者から懸念の声もあがっている。

■EPA(経済連携協定)の全体交渉が19日からスタートした。日本とEUとの間でかかる関税を原則、撤廃して、貿易をしやすくするのが目的だ。

■例えば「チーズ」。現在、モッツァレラやカマンベールなどのソフトチーズにかかっている関税は約30%だが、将来的にこの関税をゼロにする方向で協議が進んでいる。

■もう1つ注目されている品目が「ワイン」。関税がゼロになればフランスなどのヨーロッパ産ワインのシェアが広がる可能性がある。

■他にも身近な食材として「マグロ」や「豚肉」がある。価格が下がり、今後、安い豚肉が大量に入ってくる可能性もあるため、危機感を持っている生産者もいる。

■現在、日本に流通する豚肉の約18%はEU産。最大482円/1キロの関税がかかっているが、今回、50円/1キロまで引き下げる方向で協議が行われる見込みだ。

■農業者団体からは、政府与党に対し、関税を残すなどして国内産業を守るよう対策を求めている。

■大きなヤマ場を迎える日本とEUとの貿易交渉。関税を撤廃する時期や条件などを巡り、ギリギリの交渉が続く。