×

参院集中審議 首相は働きかけを改めて否定

2017年6月16日 17:45
参院集中審議 首相は働きかけを改めて否定

 加計学園の獣医学部開設をめぐり、山本地方創生担当相は16日朝、文部科学省の内部文書の再調査結果を受けた内閣府側の調査結果を発表し「総理のご意向」と伝えた認識はなかったと述べた。こうした中、参議院では安倍首相が出席する集中審議が開かれた。

 民進党の福山議員は「文科省のメモがウソだとは思えない」として安倍首相が内閣府側に意向を伝えた可能性があると追及した。

 民進党・福山議員「やっぱり文科省の職員がまじめにメモしていますから、ウソを書いているとは到底思えません。どう見てもこれは総理が言っている可能性があります」

 安倍首相「内閣府はまさにこれは規制改革に挑んでいく役割を担っているわけです。そこでは激しいやりとりがあるのは当然のことなんだろうと思います。私の意思でどうだということを決めることは全くありえないということは申し上げておきたい」

 安倍首相はこのように自らの働きかけを改めて否定した上で、内部文書をめぐる対応が遅れたことについては「率直に反省したい」と述べた。

 また、萩生田官房副長官が獣医学部新設条件の変更を指示したとのメールも焦点になっている。このメールをめぐる質疑では、内閣府と文科省の対立の構図も浮き彫りになっている。山本地方創生相は、メールを作成した内閣府の担当者が「文科省からの出向者だった」と強調した。

 山本地方創生相「内閣府から文科省に出たメールですが、それを作った方は直接の担当者でもありません。ただ、文科省から出向してきた方で不適切なことでありますが、陰で隠れて本省の方にご注進したというようなメールであります」

 一連の内閣府側の説明に対して文科省幹部は「ひどい話だ」と不快感をあらわにしている。いずれにしても行政府の内部でなぜここまでの認識の違いが生まれるのか。今国会は実質的に16日で閉幕するが、今後も真相究明の努力が安倍政権、そして与野党双方に求められる。