イギリス・ロンドン中心部の橋などで７人が死亡、４８人がケガをしたテロ事件で、ロンドン警視庁は５日、射殺した実行犯３人のうち２人の顔写真などを公表した。

　ロンドン警視庁が名前を明らかにしたのは、パキスタン出身でイギリス国籍のクラム・シャザド・バット容疑者（２７）とモロッコとリビアの国籍と称していたラシド・レドワン容疑者（３０）。３人目の実行犯については明らかにされていない。

　バット容疑者はイギリスの情報機関・ＭＩ５や警察などに以前からその存在を知られていたが、今回のテロを計画しているとの情報はなかったという。また、過去にはイスラム過激主義についてのドキュメンタリー番組の取材も受けていた。もうひとりのレドワン容疑者については、当局は認識していなかったという。

　バット容疑者はロンドン東部のマンションに住んでいたとみられ、自宅近くの公園で近所の子どもをイスラム教に勧誘しようとしたとして、警察に通報されていた。

　近隣住民「子どもたちが遊んでいると、彼（バット容疑者）がサッカーを始め、私は君たちにイスラム教に関連するものについて話さなければならないと言った」

　バット容疑者は菓子を配ったり一緒にサッカーをするなどしていて、一部の保護者が警戒していたという。また、事件前には髪をそり、長かったひげを整えるなど変化があったという。

　ロンドン警視庁は今回のテロに関連して６か所を捜索し、１９歳から６０歳の男女１２人を拘束したが、無関係だとして５日までに全員を釈放している。