イギリス・ロンドン中心部の橋などで７人が死亡、４８人がケガをしたテロ事件で、ロンドン警視庁は４日、８人の警察官が合わせて５０発の銃弾を発射したなど、事件当時の生々しい様子を明らかにした。事件現場周辺から亀甲博行記者が伝える。

　３人の男が射殺された市場に最も近い場所では依然として規制線の中に入ることはできない。市民らが持ってきた花束やメッセージなどが置かれ事件の悲惨さを伝えている。

　ロンドン警視庁は４日、実行犯は３人だったことが確認できたとした上で、身元をすでに特定していることを示唆した。犯行に使われた白い車は実行犯のうち１人が最近、借りたものだったという。

　一方、事件当時の生々しい様子も分かってきた。通報を受けてから警察官が実行犯の３人を射殺するまで８分間だったが、この間に８人の警察官が５０発の銃弾を発射したという。市民１人にも流れ弾が当たりケガをしたということだが、実行犯の３人は自爆テロに使われるベストに見えるものを着用していたため、やむを得ない措置だったとしている。

■事件の背後関係についてはどこまで捜査が進んでいるのだろうか――

　警察はロンドン東部で複数の関係先を家宅捜索し、これまでに１２人を拘束した。メイ首相は今回のテロについてイスラム過激思想の影響を受けた犯行との見方を示しており、警察は実行犯の３人に協力者がいたのかどうか、さらに調べを進めている。