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共産・田村議員 菅長官に「真相究明」要求

2017年5月31日 16:15
共産・田村議員 菅長官に「真相究明」要求

 安倍首相の友人が理事長を務める学校法人・加計学園の獣医学部開設を巡る問題で、共産党の田村議員は31日の参議院本会議で菅官房長官に真相の究明を求めた。国会記者会館から天野裕貴記者が伝える。

 田村議員の追及に対して菅長官は「総理の意向だ」などと書かれた文部科学省で作成されたとされる文書の存在は「確認できなかった」とした上で、「圧力が働いたことは一切ない」と強調した。

 共産党・田村智子議員「官房長官、あなたはこれらの文書を怪文書扱いし、前川(前文科次官)氏への個人攻撃まで行っていますが、それでは国民に対しての何の説明にもなっていません。関係省庁への調査、関係者の証人喚問など真相究明こそ求められているのではありませんか」

 菅官房長官「民進党から提出された文書について文部科学省にて調査を行った結果、該当する文書の存在は確認できなかった。このように承知しています。獣医学部の新設について圧力が働いたということは一切なく、国家戦略特区諮問会議等の一連の手続き、関係省庁の合意を得て、政府全体として適正に判断したものであります」

 また、関係者の証人喚問について、菅長官は「国会で決めること」と述べるにとどめた。

 こうした中、民進党は31日、獣医学部の開設に関わった内閣府や文部科学省の担当者の聞き取りを行った。この中で民進党は、政府が2015年に示した「既存の大学では対応が困難な状況が存在すること」などの開設条件を新たな獣医学部が満たしているのかどうかただした。

 内閣府は、広域的な疫病の封じ込めなど「新しい分野への人材供給のための大学をつくる必要がある」と説明した。民進党は安倍首相の強い意向が働いたことで加計学園に有利な取り計らいがなされた可能性があるとして、引き続き経緯を調査する方針。