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中国“対話を重視”北に不満も慎重に対応か

2017年5月29日 17:27

 29日朝、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを中国はどうとらえているのか。

 政府の公式反応はないが中国としては、度重なるミサイル発射について苦々しい思いがありつつも過敏に反応はしないとみられる。というのも、中国は、今の朝鮮半島情勢について緊張状態が続く一方で、米朝の非公式協議が行われ対話ムードが生まれる可能性もある流動的な局面だととらえている。

 そのなかで中国は、アメリカのティラーソン国務長官による「北朝鮮が非核化に踏み出せば体制変更などは求めない」などとする対話の条件を重視している。

 26日のロシアの外相との会談でも王毅外相が「アメリカがこれを具体化するよう望む」と述べるなど、中国は今、対話ムードを作るべく各方面への働きかけを強めている。

 一部の中国共産党系メディアでも、米中がレッドラインとする核実験と長距離弾道ミサイルの発射を北朝鮮が控えていることをポジティブな兆候ととらえる論説をのせるなど、緊張緩和への期待感を示している。

 こうしたことから中国は、今回のような短距離弾道ミサイルとみられる挑発には過剰に反応せず、29日に日本を訪れた外交トップの楊潔チ国務委員も各方面に自制を求める対話重視の立場を改めて日本側に伝えるとみられる。

 ★楊潔チ氏の「チ」は、竹かんむりの下にがんだれと「虎」