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トランプ大統領、NATO首脳会議に初参加

2017年5月26日 6:39

 アメリカのトランプ大統領は25日、NATO(=北大西洋条約機構)の首脳会議に初めて参加し、自ら主張していた各国の国防費の増額などについて一定の理解を得た。現地から小島康裕記者が伝える。

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 つい3日前に加盟国のイギリスで自爆テロが起きたばかりで、会議は結束を強めて合意しやすい雰囲気となっていたとも言える。

 その中で存在感をみせたのは、やはりトランプ大統領。会合の前の式典でのスピーチでも、NATOの負担がアメリカに偏っていることに触れ、改めて加盟国に国防費の増額を求めた。

 トランプ大統領「これはアメリカの納税者にとって公平ではない」

 かつてはNATOについて、「時代遅れだ」と切り捨てたトランプ大統領だが、今回は、国防費の増額はNATOを強化するためだと説明し、ある意味、NATOの意義を強調した形となった。

 他の加盟国も理解を示し、国ごとに毎年、計画を立てることで一致した。

 また、トランプ大統領が求めていた過激派組織「イスラム国」と戦う有志連合への協力についても、NATOとして有志連合に名を連ねることで合意した。いずれもトランプ大統領の意向に配慮した形。

 会議では、テロとの戦いという目的を共有することはできたが、今回は、同じ方向を向いてスタートラインに立ったにすぎない。今後、具体的な進め方においても足並みをそろえられるかどうか、正念場はこれからだ。