イギリス中部のマンチェスターで８０人以上が死傷した自爆テロ事件で、地元警察は２４日、犯行に組織が関与しているとみて捜査していることを明らかにした。

　警察は当初、実行犯のサルマン・アベディ容疑者が単独犯だとみていたが、今回、組織が関与しているとの見方を示した。２４日までに事件に関連する６人を拘束するなどして、犯行声明を出した過激派組織「イスラム国」との関係などについて慎重に調べている。

　一方、アメリカのニューヨークタイムズ紙は、現場に落ちていた爆発物の残骸を写真付きで報じた。アベディ容疑者は左手に起爆装置を持っていたほか、金属製のネジやボルトが入っていたという。また、強力なバッテリーを使っており、飛び散った破片の一部が金属製の扉を貫通していたということで、通常、自爆テロに使われる爆弾よりも複雑な設計だったと指摘している。

　ロイター通信によると、アベディ容疑者の家族がいるリビアの治安当局は、アベディ容疑者の弟を「イスラム国」に関係があるとみて拘束、さらに父親も拘束し、事情を聞いている。

　一方、事件が起きた会場でコンサートを行っていた歌手のアリアナ・グランデさんは今回のテロ事件を受けて、コンサートツアーを来月５日まで中止すると発表している。