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懸念払拭に至らず“共謀罪”法案、衆院可決

2017年5月23日 18:58
懸念払拭に至らず“共謀罪”法案、衆院可決

 共謀罪の趣旨を盛り込んだテロ等準備罪を新たに設ける組織犯罪処罰法改正案が23日午後、衆議院本会議で可決され、参議院に送られた。

 民進党などは、採決は「法案の欠陥隠し、大臣隠しだ」と強く反対したが、法案は与党と日本維新の会などの賛成多数で可決された。組織犯罪処罰法改正案は組織的な犯罪集団が重大な犯罪を実行するため、物品の手配や下見などの準備をした場合に実行前でも処罰を可能にするもの。

 衆議院の審議では野党側から捜査が一般人にも及ぶのではないか、また個人のプライバシーが侵害されるのではないかなどの懸念が示された。

 政府側はこうした懸念を否定したが、具体的な事例になるほど金田法相の答弁の曖昧さや矛盾が浮き彫りになり、懸念が払拭されたとは言えない状況。

 民進党・山尾志桜里議員「議論すればするほど論点が拡散していって、混乱していくという中で、到底採決ができるような状況ではなかった」

 政府・与党は国際組織犯罪防止条約を早期に締結するためにも法案の成立は急務だとして、今国会での成立を図る考えだが、参議院ではより丁寧で真摯(しんし)な説明と国会運営が求められる。