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革新機構、東芝メモリ出資意向も応札見送り

2017年5月19日 20:37

 東芝の半導体新会社「東芝メモリ」の2次入札締め切りの19日、産業革新機構が出資の意向を表明したことが関係者への取材でわかった。しかし正式な応札は見送られたという。

 東芝は、経営再建の資金を得るために半導体新会社「東芝メモリ」を売却し、2兆円程度の資金を得る計画だが、選定作業が遅れている。半導体技術については政府が、安全保障にもかかわる国の重要な技術として、中国などへの流出を避けたい中、政府系ファンドの産業革新機構が出資を検討している。

 東芝も革新機構の出資を期待しているが、関係者によると2次入札の締め切りの19日、革新機構は、出資の意向を表明したものの、現時点での正式な応札を見送ったという。

 革新機構は、他の日本企業が東芝メモリに出資することを前提としているが、いまだ日本企業の参加が固まっていないことや、東芝が共同パートナーのウエスタンデジタルと、東芝メモリ売却を巡って争っていることなどから、出資の決定が遅れている。

 東芝は6月までには、売却先を決定することを目指しているが、難題が山積している。