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トーンモバイル石田氏が語るエッジ戦略 2

2017年5月19日 12:09
トーンモバイル石田氏が語るエッジ戦略 2

 「トーンモバイル」社長・石田宏樹氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。2つ目のキーワードは「TSUTAYAのスマホとして独自の販路展開へ 目指したのはカルチュア・インフラとの融合だった」。構想に11年かけたというスマートフォン事業。石田氏は競合会社とは違う独自の販路を開拓する。


■どうしてもリアル店舗が必要

――2015年にTSUTAYAやTポイント運営会社である「 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」と提携し、そこから全国のTSUTAYAで展開をしているが、そのキッカケは。

 元々ベンチャー企業をしていたので、オンラインで売るのは得意だったんですけど、やっぱりどうしてもリアル店舗が必要だっていうことで、福岡、名古屋、東京というふうに自社で何店舗か造って、いろんな仕組みを作ったんです。

 だけど、これを展開していくためには、やっぱり店舗を持っているところが必要であるということと、やっぱりお客様の安心感を持つためにも、ブランドがある会社、信頼された会社と組むことが重要だと考えまして、CCCも「これからやっぱりスマホの世界になるだろうな」と考えていて。

 それで、CCCの増田(宗昭)社長から「一緒にやらないか。これでもう、とにかく世の中をちゃんと取っていこう。お客様にいいものを提供していこう」というお声掛けをいただきましたので、こういう形で提携させていただいたということになっています。


■なぜ提携という判断を

――元々、垂直統合で自社でやるというところから、違う会社と提携することは、ちょっと尻込みしてしまうような気もするが、なぜ提携という判断に至ったのか。

 すごかったのが、増田社長は突然、僕をCCC本体の取締役に据えて、自分の権限でリソースを使えるような状況にまでしていただいたんです。これはやっぱり、すごい経営者と思ったんです。

 ですから、我々としては、トーンモバイルの専門のコーナーをTSUTAYAで作って、他社に並べられるのでなく、大切に売っていけるという状況を作っていただいたということは、非常に大きかったですね。


――CCCが考えている顧客グループと、トーンモバイルが考えている対象にズレはなかったのか。

 結局、TSUTAYAも店舗ごとに、シニア向けが得意なところとか、家族向けの得意なところとか、そういったところはやはりCCCが持っているデータベースがあります。

 「この地域にはこういう年齢の方々が多い」とか、「こういうサービスが喜ばれる」というデータがありまして、それは我々ベンチャー企業にはないものでした。そういう非常に良いシナジーになっていますね。CCCは生活提案が得意なので、そこは大きな学びになりました。