東芝の綱川社長は昨年度の最終損益を９５００億円の赤字と見込む業績見通しを発表した。会計をチェックする監査法人からいまだ決算の承認を得られない異例の発表となった。

　日本テレビは東芝の綱川智社長が１５日、従業員にあてたメッセージを入手した。綱川社長は「厳しい事業環境の中で従業員の皆さんの頑張りに心から感謝します」と述べている。

　東芝の綱川智社長「本日、決算発表できないということにつきましては、多大なるご心配をおかけしますこと、改めて深くおわびを申し上げます」

　東芝は２０１６年度の決算について会社の見通しとして最終損益が９５００億円の赤字５４００億円の債務超過という厳しい数字を発表した。監査法人からは具体的な問題の指摘のないままいまだお墨付きは得られず、正式な決算発表は見送った。

　一方、資金を得るための虎の子、半導体事業の売却も困難に直面している。半導体工場を共同運営するウエスタンデジタル社は、合意なしに東芝が半導体を売却しないよう国際調停機関に半導体売却の差し止めを申し立てた。

　東芝は決算の発表も半導体売却も障害が立ちはだかる厳しい状況になっている。