韓国の朴槿恵前大統領の罷免に伴う大統領選挙で勝利した革新系「共に民主党」の文在寅氏は１０日、国会で大統領への就任を宣誓した。

　文氏は１０日正午に国会で「大統領としての職務を誠実に遂行する」とし、大統領就任を宣誓した。宣誓後の演説では安全保障上の危機の解決を急ぐと述べた。

　「必要ならばすぐにでもワシントンへ飛んでいきます。北京と東京にも行き、条件が整えば平壌にも行きます」－文大統領は去年１２月、韓国メディアへの取材に「大統領に就任したら最初に北朝鮮に行く」と発言し、批判と波紋が広がっていた。

　演説にはその火消しの狙いがあり、アメリカや日本との連携を重視する姿勢をアピールしたものとみられる。

　文大統領は１０日朝、最初の公務として北朝鮮軍の動向について報告をうけ、挑発への備えに万全を期すよう指示している。この背景にも文大統領の北朝鮮への融和姿勢を不安視する声も強いなか、懸念を払拭する狙いもあるとみられる。

　文新大統領は１０日午後２時半から初めての記者会見に臨み、政権人事を発表するほか、外交政策にも言及があるかが注目される。