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電撃解任“露と共謀”捜査への影響に疑念も

2017年5月10日 11:12

 アメリカのトランプ大統領がFBI(=連邦捜査局)のコミー長官を電撃解任した。FBIは去年の大統領選でトランプ陣営とロシアが連携していたかを捜査していた。ワシントンから井上幸昌記者が中継。

 捜査機関のトップを電撃的に解任するという極めて異例の事態。トランプ大統領は直筆のサインの入った書簡でFBI長官に更迭を伝えた。書簡には「司法長官から解雇すべきとの提案を受けた。あなたを今すぐ解雇する」と書かれている。

 コミー長官は、オバマ前政権の時代に任命された人物でまだ任期を6年も残していた。今回の更迭の理由についてトランプ大統領は「FBIを適切に主導できていない」と説明していて、アメリカメディアは当局の話として先日の議会証言の中で事実誤認があったことを挙げている。

 その一方でFBIは、去年の大統領選でロシアがサイバー攻撃を通じて選挙に介入したとされる問題で、トランプ陣営とロシアが連携していたかを捜査していた。そのため、有力紙「ニューヨークタイムズ」は「トランプ大統領がロシアに関する捜査に影響を与えようとしているとの疑念を提起する」と伝えている。

 また、野党・民主党からはトランプ政権の危険性を指摘する声も挙がっている。

 民主党上院トップ、シューマー院内総務「国民が信用する司法システムがトランプ政権の手にある。これはトランプ政権の非常によくない傾向だ」

 また、身内の共和党からも「コミー長官は誠実な人だ。失望した」との批判の声が上がっている。後任の人事についてNBCテレビは元FBI高官の話として「ロシアに関する捜査を終わらせる人物を指名するかもしれない」と伝えている。