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何もない…いすみ鉄道が目指した信者顧客5

2017年5月4日 17:16
何もない…いすみ鉄道が目指した信者顧客5

 「いすみ鉄道」代表取締役社長・鳥塚亮氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。最後のキーワードは「三方良し」。鳥塚氏が語る“飛躍のアルゴリズム”とは―


■インフラとしての利益追求

――どういった意味が込められていますか?

 よく“Win-Winの関係”と言われますが、それは、売り手と買い手のビジネスの取引だけの関係なんです。この「三方良し」というのは「売り手よし、買い手よし、世間よし」ということです。

 やっぱり鉄道が走ることによって、お客さんに喜んでもらえるし、会社も良くなる。それだけじゃなくって、ローカル線が今までずっと長いこと守ってきた地域が一緒になってよくなっていく。

 ローカル線がどうやったら地域に利益を与えることができるか…これ究極、インフラですから。インフラというのは、それが存在することによってどうやって利益が出るのか、地域に利益を与えるかということ。それをちょっと突き詰めてやってみようかなということで「売り手よし、買い手よし、世間よし」が、私が常に考えているアルゴリズムになります。


■「いすみ鉄道」今の見どころ

――ローカル線再建のモデル例として注目されているそのヒントがたくさん詰まっていますね。今は(いすみ鉄道では)どんな景色が広がっていますか?

 今はですね、とにかく山の新緑、萌黄色の緑が素晴らしいです。桜が終わりまして、菜の花はもうほとんど終わっているんですけど、この季節は一番いいです。「緑色っていうのはこんなに数があったのかな」と思うぐらい。そして、田んぼに水が入って田植えが始まった。最高の季節ですから、ぜひいらしていただきたいと思います。


――いすみ鉄道に少し前に乗ったのですが、まさに乗るだけではなく、周りの景色も一緒に楽しめて、思わずいろんなお店でお金を使ってしまうという社長の策略にはまった感じでした(笑)。

 観光ってお金を使いに行くところですからね。ぜひ、いっぱいお金を落としに来ていただきたいなと思います。