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TPP“米国抜き”会合 各国の足並みは?

2017年5月3日 10:51

 アメリカ抜きでのTPP(=環太平洋経済連携協定)を話し合う事務レベル会合が2日、カナダで始まった。トランプ政権が離脱を決定した中で、残り11か国での発効に向けた議論が本格化する。

 カナダに到着後、日本の交渉団は早速個別交渉に臨んだ。交渉にあたり、日本の片上首席交渉官は、「日本の基本的な考え方、これについての共通の認識が図れるように最大限努力したい」と述べた。

 アメリカのトランプ政権は、TPP離脱を決定した後、日本に2国間交渉を求めてきている。これに対して日本は、「2国間交渉は不利なため『アメリカ抜き』のTPPを先に進め、将来的な復帰を待つ」という戦略。日本に同調する動きも出てきている。

 牛肉の輸出に高い関税がかかるカナダだ。輸出拡大のためには「アメリカ抜きのTPP」が必要だという。

 カナダの牛農家ケン・シャウスさん「TPPはアメリカがいてもいなくても進めるべき。カナダにも他の太平洋諸国にもとても大事です」

 さらに、豚肉業界からは別の国を枠組みにいれるべきとの声まで出ている。

 豚肉協会関係者「TPPからアメリカが抜けたことで、これまで入っていなかった国が参加するかもしれない。(まだ決まっていないが)、中国は名前が挙がっている」

 「アメリカ抜き」を模索する動きには反発する国もあり、日本が議論をリードできるかがカギとなる。