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北の弾道ミサイル“迎撃”模擬訓練を撮影

2017年5月3日 2:17

 北朝鮮の核開発をめぐり緊迫した状態が続く中、アメリカのトランプ大統領が、条件がそろえば金正恩委員長に会うこともあり得ると発言した。

 注目の発言があったのは、アメリカのメディア・ブルームバーグのインタビュー。

 トランプ大統領「適切な状況であれば、私は金委員長に会うだろう。他の政治家なら言わないだろうけど、適切な状況であれば、私は彼と会うよ」

 金委員長との会談も「あり得る」と話したトランプ大統領。ただ、実際に会うのは「適切な状況」、つまり「条件がそろったとき」だと強調している。この条件とは何か。

 スパイサー報道官「北朝鮮が挑発行為をやめるなど、多くの条件が必要だ。その条件はまだ満たされていない」

 スパイサー報道官は、核能力を放棄することなどに真剣に取り組めば、会談の可能性はあるとしたが、現時点で条件は整っていないと指摘した。

 軍事的圧力をかけつつ対話の可能性に言及したトランプ大統領。北朝鮮側に揺さぶりをかけているのか。

 一方で、力の誇示も続けている。アメリカ軍の戦略爆撃機2機が韓国上空を飛行。韓国空軍と共同訓練を行ったことが明らかになったのだ。このB1戦略爆撃機は巡航ミサイルや大量の爆弾を投下できる。アメリカ軍と韓国軍の合同演習は先月30日に終わっているが、演習に関係なく攻撃を加える能力があることを示し、新たな挑発をけん制する狙いがあるものとみられる。

 北朝鮮はこの訓練に激しく反発。「核の宝剣を握った我が軍は万全の戦闘態勢を整えている」と威嚇している。

 また、新たなミサイル発射に向けた動きも。北朝鮮研究機関『38ノース』が公開した衛星写真では、西部・南浦にある海軍造船所で、潜水艦発射型の弾道ミサイルを実験する船が確認できたという。研究機関は北朝鮮が実験を加速させる可能性があると指摘している。

 北朝鮮が保有する弾道ミサイルの一部は、すでに日本の一部を射程におさめているとみられる。弾道ミサイルを迎え撃つ能力がある海上自衛隊の護衛艦『きりしま』。万が一の場合に備えた模擬訓練を特別に撮影することができた。

 いわゆるイージス艦である『きりしま』。戦闘指揮所で敵のミサイルを探知・追尾し、迎撃の指示を出す。弾道ミサイルの発射情報が入ると、搭載したレーダーで捕捉する。日本に向かって飛んでいることを確認すると、陸上の司令部から迎撃命令が出される。迎撃ミサイルは、弾道ミサイルが大気圏の外を飛行している段階で直接ぶつかり破壊する。

 現在、こうした迎撃能力を持つ護衛艦は『きりしま』を含め4隻ある。

 護衛艦『きりしま』西田敏志艦長「仮に何かあった場合、私たちしか日本を守ることができませんので、絶対に失敗は許されないものだと思っています」

 24時間態勢の任務は今も続けられている。