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【話題】全国初、ふるさと返礼に見守り活動

2017年4月27日 20:32
【話題】全国初、ふるさと返礼に見守り活動

 ネットで話題の言葉を取り上げ、話題のウラ側を探っていく「ホットワード」。今回は「ふるさと納税 返礼にヤクルトレディ」です。

 ヤクルトでは40年以上前から「愛の訪問活動」という社会貢献活動に取り組んでいて、ヤクルトレディが商品を配達しながら、一人暮らしなどの高齢者の安否確認のほか、高齢者の話し相手になることで、地域や高齢者の見守り活動につなげています。

 このヤクルトの活動とふるさと納税がコラボしました。栃木県小山市が先日、「ふるさと納税」の返礼品に「ヤクルトレディによる高齢者見守り活動」を取り入れることを発表しました。

 両親など家族を小山市に残し遠方で暮らす人が対象ですが、こうした見守り活動を、ふるさと納税の返礼品とするのは小山市が全国で初めてだということです。

 この小山市の取り組みに、ネット上では

「これはいいアイデア」
「話し相手になるのは結構大事」
「ぜひ地元の自治体でも取り入れてほしい」

 といった反響がありました。


■見守り活動、その仕組みは?

 まず、ヤクルトレディが商品を配達すると、ふるさと納税をした人に対し、「配達完了メール」が届きます。

 配達は直接手渡しで行うので、ヤクルトレディが受け取る人の異変に気づいた時は、ふるさと納税をした人にも「緊急連絡メール」を送り、当時に小山市に連絡をします。

 連絡を受けた市の担当者は速やかに安否確認に向かい、必要に応じて警察などへも連絡をします。


■必要な寄付金はどのくらい?

 寄付金の額は2万7000円から10万5000円まで4種類あります。2万7000円の場合、配達期間は半年で、2週間に1回、ヤクルトを7本配達します。10万5000円を寄付すると、配達期間は1年で、毎週1回、ヤクルトを7本配達します。

 小山市の人口は今年4月時点で16万人ほど、このうち65歳以上の方は3万8000人ほどで、一人暮らしの方は7700人ほどです。

 担当の小山市役所総合政策課・今泉さんは「これまでも高齢者の見守り活動には力を入れてきましたが、今回、ヤクルトとの連携で、さらに見守り活動に力を入れていきたい」と話していました。


■過熱する返礼品競争

 「地元の特産品が受け取れる」として人気を集めている、ふるさと納税」の返礼品ですが、一部では返礼品競争が過熱しているという指摘もあり、総務省は今月1日、各自治体に「返礼品の割合が寄付額の3割を超えている場合は、速やかに3割以下にすること」という通知を出しました。

 今回の取り組みは、ふるさと納税を通じて地元に住む家族の安心につながり、ふるさとに税金も納められるわけですから、まさにふるさと納税の趣旨に沿った取り組みです。

 このような仕組みが広がれば、返礼品の内容で寄付する先を選ぶのではなく、本当に応援したい自治体に寄付をする人が増えるかもしれませんね。(解説:デジタル編集チーム 小林整司編集長)