×

辺野古の護岸建設着手 翁長知事は強く反発

2017年4月25日 12:26
辺野古の護岸建設着手 翁長知事は強く反発

 沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設先とされる名護市辺野古で、国は25日朝から埋め立て予定地の周りを取り囲む護岸建設に着手した。1996年に日米両政府が普天間返還に合意してから21年を経て、ついに海の埋め立て工事が始まったことになる。

 アメリカ軍キャンプ・シュワブの浜辺に設置されたクレーンで、国は25日午前9時20分ごろから、海への石材の投下を始め、埋め立ての外枠となる護岸の工事に着手した。国は今後、約4年をかけて護岸を建設し、早ければ1年以内にも護岸が完成した区域から内側に土砂を投入して埋め立てる計画。

 日米両政府は21年前、普天間基地の返還に合意したが、工事が埋め立て段階まで進んだのは初めてで、元の自然環境に回復させることは困難になり、大きな節目とも言える。

 菅官房長官は、25日朝の会見で工事の開始について、「多くの人々が望んできた普天間基地の全面返還を実現する確かな一歩だ」と評価した。

 一方、キャンプ・シュワブのゲート前では反対する市民らが抗議の声をあげている。沖縄県の翁長知事も、強く反発しており、25日午後会見して、対応を打ち出す構え。知事は工事の差し止め訴訟のほか、海の埋め立て承認をあらためて「撤回」するなどの対抗策を検討しており、国との法廷闘争が再燃することも予想される。