ジョギング中にやけど相次ぐ、道路に何が?
神奈川県川崎市の多摩川河川敷でジョギング中に足をやけどする被害が相次ぎ、国土交通省が調べたところ、原因は道路にあることがわかった。一体何があったのだろうか。
■現場となったのは、神奈川県川崎市中原区の多摩川の河川敷。ターミナル駅の武蔵小杉駅から1.5キロほどの場所。
■1日、ここでジョギングをしていた男女3人が水たまりに足を踏み入れ、足首から下の部分の皮膚がただれる“やけど”のようなケガをした。
■この場所は、先月末まで堤防工事が行われていた。河川敷の道路は工事用車両の通行で傷んだため、土に石灰を混ぜた資材で舗装をし直し、先月30日に一般に開放された。
■その後、雨が降ったため、道路には水たまりが発生。ジョギングをしていた人たちが水たまりに浸かってしまい、その水が靴から染み込んだという。
■男女3人は足の皮膚がただれ、いわゆる「化学やけど」と診断された。
■化学やけどとはどのような症状なのだろうか。
■「普通のやけども化学やけども皮膚がなくなってしまっているのは同じ。化学やけどは化学薬品によって、皮膚はダメになってしまって、軽ければ赤くなりヒリヒリするだけ。ひどくなると水ほうができたり、皮がめくれてリンパ液が出てくる」(よしき皮膚科クリニック銀座・吉木院長)
■国交省の調査によると、舗装工事の際、材料の配分をまちがえ、多量の石灰を混ぜてしまっていたという。この石灰が雨で溶け出して、水たまりが化学やけどの原因となる「強アルカリ性」になったとみられている。
■「石灰のアルカリは強いので皮膚に直接触れると化学やけどを起こすことが知られていて、現在は触れるような場面では、使われないようになってきている」(吉木院長)
■現在、現場では石灰を含んだ土を取り除く作業が行われている。
■ケガをしたランナーたちは歩行に大きな支障はなく、軽症だということだが、国交省は「ケガをした方に申し訳ない」としている。
詳しくは動画で。