韓国の朴槿恵前大統領が罷免されたことに伴って来月９日に行われる大統領選挙に向け、１７日から選挙戦が始まった。

　支持率でトップを走る最大野党「共に民主党」の文在寅候補は、朴槿恵前大統領の出身地・大邱で選挙戦をスタートさせ、社会の対立を解消する姿勢をアピールした。

　文在寅候補「（社会の）分裂を終わらせてください！」

　一方、文候補を追う中道系「国民の党」の安哲秀候補は、ソウル中心部で第一声をあげ、公正な社会作りを目指す考えを強調した。

　安哲秀候補「実力がコネに勝つ国を作る」

　北朝鮮への対応をめぐっては、文候補が「対話の道を探るべきだ」と融和的な姿勢も示す一方、安候補は「制裁を優先すべきだ」と主張している。ただ日本に対しては２人とも厳しい立場で、慰安婦問題をめぐる日韓合意について、再交渉を求めている。１７日付の支持率の世論調査（リアルメーター調べ）は文候補が４４．８％、安候補が３１．３％となっている。

　一方、韓国の検察は１７日、先月逮捕した朴槿恵前大統領を収賄罪などで起訴した。検察は新たに、ロッテグループが朴容疑者側に拠出した約６億７０００万円も賄賂だったと認定。サムスングループからも含め、朴容疑者が受け取った賄賂は、日本円にして４８億円にのぼると指摘した。検察はまた韓国ロッテグループの重光昭夫会長も贈賄罪で在宅起訴した。