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自治体発「タメ口インスタ」に込めた願い

2017年4月13日 20:41
自治体発「タメ口インスタ」に込めた願い

 地方自治体のPRに、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどのSNSが活用される事例が増えています。

 自治体が情報発信をする場合、とても堅い文章、いわゆる“お役所言葉”でそのまま投稿されることが多いと思います。ところが、神奈川県葉山町のインスタグラムへの投稿が「タメ口」だとネットで話題となっているんです。どんな投稿なのでしょうか。

 インスタグラムでは葉山の町の魅力を発信していて、町の美しいさまざまな写真が掲載されているのですが、桜の写真にはこんな文章が付いています。

「中学行っても、♯ずっ友だよ☆フォロワーのみんなと葉山町もね」

 葉山花ノ木公園のツツジの花の写真。この美しい花の写真に付いている文章は「放課後に吸ったことある人、正直に名乗り出なさい!」。これはツツジの蜜のことです。

 町役場の公式アカウントとは思えないおしゃれな感じに、ネット上では

 「自治体でこういう発想はいい」
 「やってて楽しそう」
 「距離感がうまい」

 といった反響がありました。

 こんな投稿もあります。葉山と言えば「海とヨット」。ヨットが写った写真には、こんな文章が付いています。

「ヨットとかくれんぼしたら負ける気しないね」

 富士山が見える港を、おじさんが自転車で駆け抜けていく写真には「富士山までひとっ走りいきますか!」という文章が。

 なぜ、このような文章になったのでしょうか。担当の葉山町・政策課の高野さんと笠井さんにお話を聞きました。

 葉山町の公式インスタグラムは、若い人にもっと葉山町を知ってもらおうと、2015年6月に始めたのですが、最初は堅い文章に反応がほとんどなかったそうです。そこで初めてから1か月後に思い切って文章の表現を変えたところ、フォロワー数が大きく伸びたそうです。

 そして、「葉山に行ってみたい」という声が広がり、自治体としては初めてとなる「インスタオフ会」も開催、実際に交流を図ることにつながりました。

 今後は「このインスタグラムを見て、葉山が好きになって、葉山に来てもらって、葉山に住んでくれるような取り組みを行っていきたい」と語っていました。