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新幹線で“ゆったり通勤”広がるワケとは?

2017年4月12日 18:42
新幹線で“ゆったり通勤”広がるワケとは?

 毎日のつらい満員電車通勤が快適に変わるかもしれない―実は今、新幹線で通勤する人の「新幹線通勤代」を補助する会社や自治体が増えている。どんな背景があるのか。


■新幹線通勤の実際は―

 埼玉県熊谷市に住む会社員の窪田未来さん(30)。出勤前は、家族と過ごす貴重な時間だ。窪田さんは、都内の会社に通勤するのに新幹線を利用している。定期券代はいくらなのか、見せてもらうと―

 記者「7万円かかるんですね」

 窪田さん「そうですね、やっぱり高いですよね」

 去年、実家のある熊谷市に引っ越したという窪田さん。新幹線通勤を決めた理由には、熊谷市の“ある制度”が関係しているという。

 窪田さん「新幹線の定期の補助というのができたみたいなので、それを使わせてもらっています」

 熊谷市からの補助は約1万2000円。さらに会社から出る通勤手当など5万円を差し引くと、自己負担する金額は1万円ほどだという。

 窪田さん「(Q:金銭的な面は大きいですよね)もちろん、もちろん。それはもう、助かってます」「(Q:実際、この制度を利用してみて感じることは?)快適ですよ。在来線じゃ座れないですからね」

 新幹線での移動は約40分。この日も、会社の資料に目を通すなど有意義に過ごしたという。


■自治体がなぜ補助をするのか

 自治体が新幹線通勤の補助をする動きは他でもある。温泉の観光地としても知られる新潟県湯沢町。現在の人口は8000人ほどで、ここ10年で約600人減っているという。そのため、去年の8月から1か月で5万円を上限とした「新幹線通勤の補助制度」を導入した。

 湯沢町企画政策課・笛田さん「若い世代がどんどん来る町になって、どんどん町が盛り上がっていく、そういったことにつながっていけたらなと」


■月額上限15万円の企業も

 新幹線通勤を補助する動きは自治体だけではない。都内に本社を構える大手のインターネット会社でも去年の10月から導入している。

 ヤフーコーポレート人事本部・湯川さん「月額15万円を上限に、通勤時間が2時間以上の方を対象に補助を開始しています」

 現在、この制度の利用者は数十名だという。実家のある新潟県湯沢町から通勤しているという角谷さん。1か月にかかる新幹線の定期券代は、14万8000円だが、自己負担はゼロだ。


■残業時間が半分以下に

 新幹線の車内では、読書をするなどして過ごしているという角谷さん。働き方にも、変化があった。残業時間が半分以下になったという。

 角谷さん「新幹線はどうしても本数が限られるのは事実。なので『この時間までに必ず仕事を終わらせよう』と、自分の中で今まで以上に工夫するようになった」

 ヤフーコーポレート人事本部・湯川さん「より安心して働けるように選択肢はしっかり用意しておきたいですし、今後より会社に魅力を感じていただいて、新たな人材に来ていただきたいとも考えています」