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大使帰任へ 韓国「両国疎通の緊密化期待」

2017年4月3日 18:05

 政府は3日、一時帰国していた長嶺駐韓国大使らを4日、韓国に帰任させることを決めた。3か月に及んだ大使の不在が解消されることに対し、韓国の外務省は歓迎している。

 韓国の外務省は「大使の帰任を契機に両国間の疎通がより緊密に進められることを期待する」とのコメントを発表した。日本が求めている釜山の日本総領事館前の慰安婦像の撤去に向けて事実上手詰まりの中、大使の帰任が発表されたことを歓迎しているとみられる。

 大使は朴容疑者の逮捕で一連の捜査がヤマ場を越え、大統領選挙に向けた動きが加速するタイミングに帰任する。

 3日は最大野党の「共に民主党」が大統領選の予備選挙を行っていて、3日夜にも文在寅前代表が公認候補に選出される可能性が高いとみられている。

 文氏は他の政党の候補者も含めて支持率が1位で大統領選挙の本命だが、日韓の慰安婦問題の解決に向けた合意に批判的で再交渉も辞さない立場。

 大使の帰任は、現在、大統領代行をつとめ合意を尊重する立場の黄教安首相に合意の履行を訴えながら、1か月後の大統領選挙まで文氏を中心とした候補たちの動静を見極めるためのものとみられる。