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中小企業の賃上げ額、昨年同時期を上回る

2017年4月1日 3:13

 今年の「春闘」で、中小企業の賃上げ額が昨年同時期を上回った。背景には景気回復に伴う人手不足があるとみられる。

 労働組合の全国組織「連合」がこれまでにまとめた春闘回答集計によると、定期昇給とベースアップとを合わせた賃上げ額は、1954組合の平均で6147円、賃上げ率は2.05%だった。これは、昨年同時期に比べ92円低い数字。

 一方、組合員数別にみると、組合員が300人以上の大手組合では、賃上げ額が平均6222円と昨年を106円下回った一方で、組合員が300人未満の中小組合では、賃上げ額が平均4971円と、昨年を17円上回った。

 連合の神津里季生会長は、「中小で昨年の水準を上回っているのは、底上げ春闘をそれぞれの組織が体現したもので、ここから先につなげていきたい。背景には中小企業の人手不足などもあるだろう」としている。

 その上で、今後、引き続き取引関係の是正を進めるとともに、賃上げや労働環境改善を広げるとしている。