北朝鮮の金正男氏殺害事件で、正男氏の遺体を乗せたとみられる車がマレーシアの空港の敷地内に到着した。３０日にも国外に移送される可能性がある。クアラルンプールの空港から松永新己記者が伝える。

　遺体を乗せたとみられる車は、クアラルンプールの空港の敷地内にある貨物を留め置く施設に到着している。遺体を国外に移すための動きとみられ、空港には多くの報道陣が集まってきている。

　３０日午後、警察に警備され、遺体の安置先の病院を出た車は、日本時間午後４時ごろ、空港の敷地内に到着した。この車に正男氏の遺体が乗っているものとみられる。

　北朝鮮にはマレーシア人９人が事実上の人質として留め置かれているが、その交換条件として北朝鮮側が要求したのが、正男氏の遺体と、事件の重要参考人で北朝鮮国籍の二等書記官ら３人だった。

　正男氏の遺体は北朝鮮に戻るため、経由地の北京に向けて移動するとみられる。また、二等書記官らが出国に向け空港に向かっているという情報もあり、正男氏の遺体とともに、日本時間午後７時発の便で出国する可能性が高まっている。