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「もう後戻りできない」英国がEU離脱通告

2017年3月30日 5:53

 イギリスが29日、EU(=ヨーロッパ連合)に対して離脱を正式に通告し、原則2年間の交渉期間が始まった。しかし、交渉はEUへの未払い金の支払いなどをめぐり難航が予想される。

 イギリス・メイ首相「これは歴史的な瞬間であり、もう後戻りはできない」

 通告後、議会で演説したメイ首相は、「離脱することで、イギリスは新たなチャンスを手にすることになる」などと強気の姿勢を見せた。

 これに対し、文書を受け取ったEUのトゥスク大統領は落胆を隠さなかった。

 EU・トゥスク大統領「私はハッピーだと、うそをつくつもりはない」

 交渉が順調に進めば、イギリスは再来年の2019年3月に離脱することになる。しかし、自由貿易や国境の管理、EUへの未払い金の支払いなど問題は山積みで、メイ首相自身も「2年間で合意に達するのは難しい目標だ」と認めている。

 また、イギリス国内では、スコットランドがEU離脱に反対して独立への住民投票を行う動きを進めており、足元も揺らぎつつある。

 両者が交渉のテーブルに着くのはEUの方針が固まった後、はやくても5月以降とみられる。離脱後の関係が見通せない中で、カウントダウンの時計の針が刻々と動き続けている。