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“稼ぎ頭”売却に理解求め…東芝が臨時総会

2017年3月30日 10:57
“稼ぎ頭”売却に理解求め…東芝が臨時総会

 1兆円を超える最終赤字に陥る見込みとなった東芝は、稼ぎ頭の半導体メモリー事業の売却について理解を求めるため、臨時の株主総会を開いている。

 株主総会の冒頭で東芝、綱川社長は「本当にご迷惑ばかりおかけして申し訳ない」と謝罪し、約30人の役員全員が起立して頭を下げた。会場には東芝の経営が本当に良くなるのか、直接話を聞こうと、大勢の株主が集まっている。

 株主「株主としては非常に不安がどんどん募っていますね」「これから経営の面をしっかりやって、『これが最後』っていう感じで頑張ってほしい」

 東芝は、スマートフォンなどでデータの記憶に使う「フラッシュメモリー」という半導体の技術で、世界トップを争う技術力を持っている。しかし、アメリカの原発事業での巨額の損失を埋め合わせるため、この一番の稼ぎ頭であるフラッシュメモリー事業を分社化して売却する方針で、臨時株主総会で承認を求めることにしている。

 フラッシュメモリー事業には、中国やアメリカのライバル会社など10社ほどが買収に意欲を示していて、東芝は5月には売却先を決め1兆円を超える資金を得たい考え。

 しかし政府や経済界からは、重要な先端技術を中国など海外に流出させるべきではないとの意見も出ていて、売却先がすんなりと決まるのか、不透明な状況。