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東芝 原発子会社の破産申請了承

2017年3月29日 10:25
東芝 原発子会社の破産申請了承

 東芝の経営陣は29日朝、経営不振の大もととなっていたアメリカの原発関連の子会社の、破産法の適用申請を了承したもよう。東芝本社前から安藤佐和子記者が伝える。

 東芝内からは、「やっとリスクを断ち切ることができる」と安堵の声も聞こえてきている。東芝本社では29日朝、取締役会が開かれ、アメリカで原子炉の製造などを行う東芝の子会社「ウェスチングハウス」の、破産法適用申請を了承したもよう。

 東芝は、2006年に社運をかけてこのウェスチングハウスを買収し、世界各国での原発事業の拡大を目指してきた。しかし、福島の原発事故を受けて、アメリカで原発の安全基準が高まり、原発の建設にかかる費用が拡大したことから、東芝は巨額の損失を被り、経営を脅かすほどになっていた。

 しかし今回、破産法が適用されれば、東芝は親会社としての補償費用などで1兆円規模の支払いが発生するものの、ウェスチングハウスを東芝本体から切り離すことができるため、損失が雪だるま式に増える懸念から解放されることになる。

 一方で東芝は、本体立て直しのため、稼ぎ頭の半導体(=フラッシュメモリー)事業を売却してしまうため、主力事業を失った中で、どう経営再建していくのか、試練が立ちはだかっている。