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新学期 増える中高生の自転車事故に注意!

2017年3月27日 17:08
新学期 増える中高生の自転車事故に注意!

 警察庁によると、全国で起きた自転車事故は交通事故全体の2割近くとなっていて、2015年は9万8700件も発生している。しかも、自転車事故の死者数は572人。1日1.5人以上が死亡していることになる。


■自転車事故、新学期に気をつけて!

 特に、新学期を迎えるこの時期は注意が必要だ。自転車産業振興協会の調べによると、2015年の自転車販売店1店舗あたりの販売台数を月別で見ると、1月、2月に比べて3月は32台と倍以上に増え、4月は42台と、1年間で最も多く自転車が売れている。

 2015年4月の中高生の事故件数を見ると、高校入学後は自転車事故が急増している。自転車の安全利用促進委員会によると、高校だと自転車通学を許されることが多くなり、特に高校1年生は事故が多くなるので注意が必要だという。

 最近では、事故を防ぐための様々なグッズが出ている。例えば、自転車の後ろにつけるライト。点滅させることで明るい日中でも後ろにいる自動車などが自転車を認識しやすくなるという。

 また、響き方に工夫を施したベルもある。音が横にはあまり響かず、自転車の前にいる人に向けてより響くよう、珍しい形に設計されている。さらに、ヘルメットは目立ちやすい蛍光色などを選ぶと、暗い時でも認識しやすくなるという。

 東京都でも先月、事故を減らすため、自転車の安全に関する改正条例が施行され、自転車を販売する際、安全への呼びかけが義務づけられた。

 例えば、自転車を購入した人に「自転車ルール・マナー確認書」を渡し、チェックしてもらう。確認書には「信号や一時停止は守らなければならない」、車道を通行する際は「左側を通行しなければならない」などとルールが書かれている。

 「自転車ナビルート」と呼ばれる、白い自転車のマークや青い矢印もある。自転車が車道で走る位置や方向を示していて、警視庁は2019年までに都内全ての幹線道路に広げる予定だという。


■自転車事故で高額賠償のケースも

 実は自転車と歩行者の事故が起きた際、自転車に乗っている人が高額の損害賠償を支払わなければならないケースがある。

 2008年には、当時小学5年生の少年が自転車で67歳の女性をはね、女性は寝たきりの状態となった。神戸地裁は2013年、少年の親に約9500万円の損害賠償を命じた。

 また、2010年には、都内で信号無視の自転車にはねられた75歳の女性が死亡。自転車に乗っていた人に約4700万円の支払いが命じられた。

 このように、自転車事故でも大きな責任を負わなければならない。そこで自治体によっては、自転車事故で損害を補償する保険への加入を義務づけているところもある。例えば兵庫県、大阪府、滋賀県では義務づけが始まっていて、東京都では「努力義務」としている。


■安心は備えから

 春休みに入っている児童・生徒も多いと思う。新学期を前にもう一度、自転車のルールを親子で話したり、事故防止のグッズなどを試したりして、事故が起きる前に備えることが大切だ。