イギリスの離脱に揺れるＥＵ（＝ヨーロッパ連合）は２５日、ＥＵ誕生の基礎をつくったローマ条約調印から６０年となるのを記念して首脳会議を開き結束を呼びかけた。

　イギリスを除く２７か国の首脳らはイタリア・ローマに集まり、ＥＵの将来像の方針を定めた新しい「ローマ宣言」を採択した。

　ＥＵ・トゥスク大統領「世界各国との関係においてＥＵは結束してこそ強くなれる」

　ＥＵはドイツやフランスなど経済的な規模の大きい国と東ヨーロッパ諸国などとの格差が大きな問題となっているが、「ローマ宣言」では「同じ方向に進みつつ必要であれば異なるペースをとる」としていて、すべての加盟国が一緒に行動することにこだわらない姿勢をみせている。

　今月２９日にイギリスはＥＵに対し離脱を正式に通告し原則２年間とされる離脱交渉が始まるほか、各地で極右・ポピュリズム政党が支持を拡大していて多くの課題に直面する中での再出発となった。