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【森友問題】与野党どう動く?政治部長解説

2017年3月24日 18:36
【森友問題】与野党どう動く?政治部長解説

 森友学園の問題として挙げられているのは、大きく分けて3つある。

 1:安倍首相や昭恵夫人から森友学園・籠池泰典理事長側に100万円の寄付があったのか。

 2:国有地取得で、なぜ8億円以上減額されたのか。そこに政治家などの関与があったのか。

 3:異なる3種類の金額の契約書があったが、学校法人の認可などに絡んで虚偽の報告はあったのか。

 24日の国会のやり取りでは「1」と「2」についての話が出た。日本テレビ政治部・伊佐治健部長に聞く。


――籠池氏は証人喚問で、「昭恵夫人を通して安倍首相から100万円の寄付を受けた」と証言したが、安倍首相は完全否定している。この展開をどう見ればいいのか。

 結局、籠池氏と安倍首相、どちらを信じるのかという問題。安倍首相には、証人喚問で何も出てこなかったという結論になれば、一連の問題に幕引きを図れるという期待もあった。


――しかし、23日の証人喚問で、昭恵夫人担当の政府職員から籠池氏に宛てたFAXの存在が明らかになり、土地取引に安倍首相の関与があったのかどうかが、別の焦点となってきた。

 政府は「当時の昭恵夫人担当だった官僚の谷査恵子氏がやったこと」として、昭恵夫人の関与を否定している。一方、野党側は「安倍首相が土地取引に関与していたら首相も議員も辞めるとしていた」として、追及している。


――国有地が8億円余りも値引きされた背景について、納得のいく説明が求められている。

 そもそも、このことが森友学園問題の核心部分だが、24日の国会でも核心的な証言は聞かれなかった。自民党は、いくつかの例を挙げながら「8億円は妥当だ」と主張している。

 一方、野党は「不当に価格が安くなっていて、政府の算定根拠が曖昧だ」「財務省が売却額を非公開にしたり、交渉記録を廃棄したりしていて、隠蔽(いんぺい)体質なのではないか」などと追及している。


――籠池氏の喚問を終え、与野党は今後、どう動くのか。

 政府・与党は、森友学園の小学校の認可取り下げや籠池氏の証人喚問で問題に区切りをつけられると考えていたが、火が消える様子はない。昭恵夫人など関係者の証人喚問などをめぐり、与野党の綱引きは続きそうだ。

 ある野党幹部は23日、FAXが明らかになった直後、「これは内閣がぶっ飛ぶかもしれない」と攻勢を強めている。しかし、首相周辺からは「首相が本当に怒ったら…」と、暗に解散・総選挙をにじませるなど、与野党の神経戦は続きそうな気配だ。