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どこまでカバーするの?“ネット炎上”保険

2017年3月22日 20:46
どこまでカバーするの?“ネット炎上”保険

 ツイッターやフェイスブックなどのSNSで気軽に情報発信ができるようになった反面、投稿内容によっては批判的な意見が殺到し、「炎上」する事例も増加しています。そして、この「ネット炎上」は、企業の経営リスクの一つにもなっているんです。

 「ネット炎上」が、どう企業経営のリスクにつながるのでしょうか。実例を2つ紹介します。

 ある企業が販売した製品に異物が混入している写真がツイッター上にアップされ、瞬く間に拡散しました。企業の個別対応もツイッター上で実況中継され、この対応内容にも批判が寄せられました。

 また、ある企業の従業員が有名人の来店者情報をツイッター上に投稿。すぐに投稿した従業員が特定され、その会社にも非難が殺到しました。

 一度「ネット炎上」が発生すると企業イメージの低下に伴い、経営を揺るがすほどの損害となる可能性があります。そこで今回、会社向けの「ネット炎上対応費用保険」が登場し、これがネットで話題になっているんです。

 ネット上では「面白い商品」「こういう時代なんだな」「保険でどこまでカバーできるんだろう」といった声がありました。

 この保険は、何をカバーしてくれるのでしょうか。この保険を販売した「損保ジャパン日本興亜」に話を聞きました。

 「ネット炎上」には、大きく2つの対応が必要となります。一つはネット炎上そのものへの対応で、原因調査やコンサルティング、拡散防止、場合によってはコールセンターの設置も必要となり、どれも大きな費用がかかります。

 もう一つはメディアへの対応で、こちらも場合によっては新聞や雑誌、テレビなどに広告掲載が必要になる場合があります。これらにかかる費用を補償するのが「ネット炎上対応費用保険」なんです。

 企業にとっては、すぐに対応しなければいけないし、費用もかかりますが、「ネット炎上」は、いつ何が原因で起こるかわかりません。そこで、この保険では、24時間体制で投稿などを監視するモニタリングサービスに加入することが条件となっています。これにより、早期に対策を講じることが出来ます。

 補償は基本的に1000万円までで、保険料は業種や売上高、従業員の数によって変わりますが、年間50万円から100万円ほどだそうです。

 ある調査によると、「ネット炎上」の発生件数は、この5年で10倍ほどに急増しています。「ネット炎上」は企業にとって経営リスクに直結しますが、事前の対策が難しいのが大きな課題ですね。まさに時代が呼んだ新たな保険だと思います。(解説:デジタル編集チーム・小林整司編集長)