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「生業訴訟」結審 判決は10月10日に

2017年3月21日 22:34
「生業訴訟」結審 判決は10月10日に

 福島第一原発事故で避難を余儀なくされた住民ら約3900人が、国と東京電力を訴えている原発事故の最大の集団訴訟=通称「生業訴訟」が21日、結審した。

 この裁判は、原発事故当時、福島県や宮城県などに住んでいた約3900人の住民らが、「生業を返せ、地域を返せ!」をスローガンに、福島地方裁判所に訴えを起こしているもの。

 原告の住民らは国と東京電力を相手取り、「津波は予測可能だった」として原発事故の責任を認め、空間放射線量を事故前の水準に戻す「原状回復」と「慰謝料」を求めている。一方、国と東京電力はこれまで、「津波は予測できず事故は防げなかった」「既に賠償金を支払っている」などと主張している。

 この裁判ではこれまでに、原告の住民らがかつて住んでいた原発事故の避難区域などを裁判官が訪れ、現地検証を行っている。

 21日の裁判では住民が、「失われたふるさとでのつながりはお金には換えられない」「悔しい気持ちでいっぱいだ」などと涙ながらに訴えた。裁判は21日に結審し、判決は10月10日に言い渡される。

 原発事故をめぐる同様の訴訟では、今月17日に前橋地裁が、国と東京電力の責任を認め、賠償を命じる初めての判決を出している。