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クリミア編入3年 ロシアの実効支配進む

2017年3月19日 2:46
クリミア編入3年 ロシアの実効支配進む

 ロシアが、ウクライナからクリミアを編入して18日で丸3年となった。編入を認めない欧米や日本は制裁を続けているが、現地では、ロシアによる実効支配が進んでいる。

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 先週、私たちはロシア南部のケルチ海峡を訪ねた。そこでは、海の上に巨大なクレーンが立ち並び、大量の建設資材が運び込まれていた。

 ロシアは現在、クリミア半島とロシアを隔てるこの海峡に橋を架け、“国土の一体化”を図ろうとしている。

 ウクライナ領のクリミアをロシアが編入したのはちょうど3年前。欧米と日本はこれを認めず、制裁を続けている。

 クリミア半島とロシアを結ぶ橋の全長は、およそ19キロ。建設費は4000億円以上。プーチン大統領はこの橋を「統一の象徴」と呼んでいる。

 プーチン大統領(去年3月)「この橋はクリミアと我々との統一性、能力の象徴だ。我々は共に自信を持って前進するのみだ」

 来年12月には自動車用の橋が、2019年には鉄道用の橋が完成する予定だ。

 橋の建設会社社長「(橋の建設に)誇りを感じている。作業員も同じ気持ちだと思う」

 着実に進むロシアによる実効支配。クリミアの住民はおおむね前向きに受け止めている。

 クリミアの住民「あらゆるものが再建され、生活は良くなった」
 クリミアの住民「今は安定した将来と希望がある。給料もしっかりもらえている」

 クリミアを奪われたウクライナのポロシェンコ大統領は17日、「ロシアの侵略から独立を守る」と述べて、ロシアを改めて厳しく批判した。

 しかし、国内の政治や経済の混乱が続く中、有効な対策を見いだせずにいる。

 編入から3年。国際社会の反発をよそに、クリミアでは、ロシアによる支配の既成事実化が進んでいる。