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正男氏殺害 女らと北朝鮮国籍の男の接点は

2017年3月17日 14:26
正男氏殺害 女らと北朝鮮国籍の男の接点は

 北朝鮮の金正男氏が殺害された事件から1か月がたった。実行犯として女2人が起訴されているほか、警察は北朝鮮国籍の男らの行方を追っている。女たちと北朝鮮国籍の男らの接点を探った。

 実行犯として逮捕されたインドネシア人のシティ アイシャ被告と、ベトナム人のドアン・ティ・フォン被告。逮捕後、2人は事件について「いたずら番組の収録だと思っていた」と供述し、殺意を否定しているが、警察は「使用された液体が毒物だと知っていた」として、殺人の罪で起訴した。

 2人は計画について、どの程度知っていたのだろうか。シティ アイシャ被告の弁護士が取材に応じ、被告と事件との接点について明らかにした。

 シティ アイシャ被告の弁護士「日本人を名乗る男に雇われ、様々な場所・状況で『いたずら』をするように依頼された」

 見知らぬ人に液体をかける「いたずら」をシティ アイシャ被告に依頼した日本人を名乗る男は、その後の関係者への取材で、重要参考人のリ・ジウ氏だということがわかった。

 警察によると、フォン被告は事件当日、リ・ジウ氏に連れられて空港に来る姿が監視カメラに捉えられていたという。

 2人との接点が浮かび上がるリ氏。そのリ氏とシティ アイシャ被告は今年、クアラルンプール市内にある高級ホテルを含む少なくとも市内4か所で、連日のように「いたずら」を繰り返していたという。

 人の集まる高級ホテルやショッピングセンターで、多い時には1日に3回「いたずら」を行っていたというシティ アイシャ被告。その後、カンボジアで「中国人のチャン」と名乗っていたホン・ソンハク容疑者と知り合い、「いたずら」を繰り返したという。

 何度も「いたずら」を繰り返すことで、渡される液体が無害だと思い込まされていた可能性もある。

 シティ アイシャ被告の弁護士は事件前、被告が受けた指示についても言及した。

 弁護士「現場からできる限り早く去るように言われていた。この人物は金持ちで、大柄だから」

 関係者によると、この指示をした人物もホン容疑者だという。

 ホン容疑者を含む北朝鮮国籍の男4人は事件直後にマレーシアを出国し、北朝鮮に既に戻っているとみられている。

 ホン容疑者とみられる男は別のターミナルに移動するためタクシーを利用したとみられていて、NNNはそのタクシー運転手に話を聞くことができた。

 ホン容疑者とみられる男を乗せたタクシー運転手「(ホン容疑者の画像を見て)この男です。英語を話していた」

 シティ アイシャ被告とフォン被告は殺人罪で起訴されているが、2人は「捨て駒」との見方もある。

 一方で、殺害された男性を正男氏とは認めず、容疑者らについての情報提供に一切応じない北朝鮮から捜査への協力を得るのは難しく、事件の全容解明には厳しい状況が続いている。