北朝鮮の金正男氏が殺害された事件で、国外逃亡した北朝鮮国籍の４人の容疑者が借りていたマンションをマレーシア警察が捜索したところ、指紋が３つしか見つかっていないことが新たにわかった。

　先月、捜索を受けたマンションは、国外逃亡した４人の北朝鮮国籍の男が借りていて、容疑者らが拠点としていたとみられている。マンションの台所のシンクの中、戸棚の扉、シンクの前の床からは化学物質の反応が出てきたという。またシンクの中にはゴム手袋１組が残されていた。

　さらに、捜索時にマンションから採取された指紋は３つだけだったという。部屋は約７０平方メートルの広さがあり、表面がガラス素材のテーブルや鏡張りの扉など、指紋が付着しやすい家具が備え付けられている。

　しかし、採取された指紋が極めて少ないことから、警察は容疑者らが自らの周辺に捜査の手が及ぶのを防ぐため、証拠を隠滅する工作を入念に行ったものとみて調べている。