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正男氏殺害 逃亡の男 女2人の手に薬品

2017年3月13日 13:27

 北朝鮮の金正男氏が殺害された事件から13日で1か月。マレーシア警察へのその後の取材で、逃亡している北朝鮮国籍の男が事件直前に、起訴された実行犯の女2人の手に薬品とみられる液体をかけ、犯行を指示していたことなどが新たにわかった。

 この事件では、正男氏がマレーシアの空港で猛毒VXを顔に塗りつけられて殺害されている。警察は、ドアン・ティ・フォン被告とシティ アイシャ被告がそれぞれに別の薬品を正男氏の顔に塗ることで猛毒のVXが生成されて死に至らしめたとみている。フォン被告らは「額からあごにかけて塗り込め」と指示されていたという。

 その後の警察の調べで、事件に関わったとされている北朝鮮国籍の7人の男のうち「ジェームス」と呼ばれる重要参考人のリ・ジウ氏が、空港内の別の場所でそれぞれフォン被告ら2人の手に何らかの液体をかける様子が防犯カメラに映っていたことが明らかになった。

 一方で事件直前の正男氏の足取りもわかってきた。正男氏は先月6日にフィリピンからマレーシアに入り、その後、北部のリゾート・ランカウイ島に滞在していたということが新たにわかった。捜査当局は犯行グループが正男氏の行動をどの程度把握していたのか、さらに調べを進めるものとみられる。