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今年度の原爆資料館の入館者数 過去最多に

2017年2月24日 18:54

 広島にある原爆資料館の今年度の入館者が24日、159万人を超え過去最高となった。オバマ前大統領の広島訪問などが追い風になった。

 原爆の惨劇を今に伝える広島市の原爆資料館。今年度訪れた人の数が24日、過去最多になった。新記録となった159万3281人目の入館者、高橋佑理さんには記念品が贈られた。

 高橋さん「多くの人に来てもらうのはいいことだと思う」

 記録更新は、1991年度以来、25年ぶり。

 去年5月、広島を訪問したアメリカのオバマ前大統領が折り鶴を残したことや、原爆を扱ったアニメ映画「この世界の片隅に」の大ヒットで関心が高まったためとみられている。

 東館は現在リニューアル工事で閉鎖中だが、多い日には1万人近くが訪れる。そこで問題となっているのが館内の混雑。

 原爆資料館・志賀賢治館長「過去最多の来館者は我々としてもありがたいが、せっかく来てもらうのだから、きちんと展示資料と向き合う環境もなんとか構築したい」

 核の問題への関心が高まる一方、不穏なニュースも入ってきた。アメリカのトランプ大統領が23日、「核兵器を増強する考え」を示したのだ。

 原爆資料館・志賀館長「どなたがどんなことを言おうと、我々は愚直に1945年8月6日に何があったかをお伝えするだけ」

 再び遠のく気配を見せ始めた核兵器のない世界。原爆資料館が担う役割はますます重くなる。