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女2人は「北朝鮮の男」逃がす“かく乱”か

2017年2月20日 12:54

 北朝鮮の金正男氏がマレーシアの空港で殺害された事件は、死因の特定に至らず、犯人グループの背景も依然、不透明なまま20日で一週間になった。捜査本部があるクアラルンプールの警察署前から松永新己記者が伝える。

 これまでに実行犯としてドアン・ティ・フォン容疑者とシティ アイシャ容疑者の2人の女が逮捕されているが、この女らは早々と逮捕されることで捜査をかく乱させ北朝鮮国籍の男らを逃すための存在でもあった可能性が出てきた。

 警察は19日の記者会見で、容疑者として北朝鮮国籍4人の実名をあげ、すでにマレーシア国外に逃亡したと発表した。また、この4人とは別に3人の男も事件に関わっていて、そのうち1人も北朝鮮国籍だという。国外に逃亡した4人について地元メディアは、事件当日に出国しインドネシア、ドバイ、ロシアと乗り継ぎを重ねて北朝鮮に戻ったと伝えている。

 一方、地元メディアは、逮捕された2人の女は、4人を逃がすためのいわば“捨て駒”だった可能性があると伝えている。警察の捜査の目を2人の女に向けさせることで、男たちの逃げる時間を稼いだという。

 また、マレーシア国内で逮捕された北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者は連絡役や宿の手配などを担当していて、他の容疑者が国外に逃げた後に逃げる手はずだったと地元メディアは伝えている。

 こうしたことから今回の事件は、事件の真相に深く関わる北朝鮮の男たちを逃がすことまで周到に計画されていた可能性が高まっている。