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【ヒヤリ7割】「抱っこひも」使用の注意点

2017年2月20日 17:40
【ヒヤリ7割】「抱っこひも」使用の注意点

■子どもの安全を守る

 チャイルドシートの誤った使い方に関する調査が、警察庁とJAF(=日本自動車連盟)の共同で行われた。その内訳を見ると、全国425個のチャイルドシートを調べたところ、60.7%が間違った方法で取り付けられていた。

 間違った使い方で一番多かったのは、チャイルドシートを取り付けるシートベルトに関連するもので、「締め付け不足」が73.8%、続いて多かったのが「通し方の間違い」で13.8%だった。


■正しいチャイルドシートの使い方

 こうした間違いを防ぐためには、正しい使い方を知ることが大切だ。JAFに正しいチャイルドシートの使い方を聞いた。

 まず説明書通りに、正しい位置にシートベルトを通す。次に、シートベルトにしっかりと張りをもたせるために、体重をかけて固定し、シートベルトの張り、通っている位置を再度確認する。

 チャイルドシートの「座らせ方」にも注意が必要だ。実は「座らせ方」も乳児用で36.2%、幼児用で50.7%が間違っていた。

 例えばチャイルドシートの2本のベルトは、正しくは子どもの両肩の上に通さなければならないが、脇の下を通しているケースなどがあった。こういう座らせ方だと、体が放り出されてしまうおそれがある。


■抱っこひもにも“危険”が

 一方で、子どもを取り巻く危険はチャイルドシートだけでなく、「抱っこひも」にも見られる。

 抱っこひものメーカーなどが自主的に作っている「抱っこひも安全協議会」によると、抱っこひもを使っている時に71%の人が子どもが落ちてしまう危険を感じ、子どもが圧迫されたり、窒息したりする危険を感じた人もいることが分かった。(圧迫17.8% 窒息7.4%)

 東京都のまとめでは、2009年から2014年で、抱っこひもなどからの転落事故は把握しているだけでも117件、そのうち入院が必要なケースは27件あった。

 消費者生活センターに寄せられた相談では、生後2か月の乳児が抱っこひもから落下し、頭蓋骨を折ったという事例もあったという。


■抱っこひも事故を防ぐには?

 抱っこひもによる事故を防ぐための注意点を紹介する。

 “ヒヤリハット”の多かった、抱っこする時や降ろす時には、立った状態ではなく、なるべく低い姿勢で行うようにする。こうすれば重心が低くなり、安定する。

 また、物を拾う時など前傾姿勢になる時には、腰はまっすぐにして膝を曲げるようにする。そして、片手は赤ちゃんを支えるようにする。こうした少しの工夫で危険を減らすことができる。

 そして、抱っこひもが緩んでいないことも大切だ。特にこの時期、外から帰ってくると、家の中では上着を脱ぐため、家の外と中で服の厚みが変わって緩みが生まれるので、よりいっそう注意が必要となる。


■“ヒヤリ”共有で事故防止

 「抱っこひも安全協議会」は「ヒヤッとした体験などがあれば、今後の事故防止のために、メーカーなどに伝えてほしい」と話している。

 いずれも日常的に使うものだけに、つい「慣れ」や「やりやすさ」に陥りがちなので、改めて使い方を確認してみよう。