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原発事故6年…全村避難の飯舘村考える集い

2017年2月18日 20:50

 東京電力・福島第一原発事故から、来月で6年を迎える中、今も全村避難が続く福島県・飯舘村について考えるシンポジウムが福島市で開かれた。

 政府は、飯舘村全域の避難指示について、放射能汚染が特にひどく帰還困難区域となっている長泥地区を除いて、来月末に解除する方針。飯舘村も、この方針に沿って帰村するとしていて、去年7月からは村役場の再開や、帰村に向けた「準備宿泊」を始めている。

 18日のシンポジウムには、飯舘村の村民や研究者など、約170人が参加し、村のこれからについて話し合った。

 避難指示が解除される地区の住民の男性は、「子供がいるので、避難指示が解除されても少なくとも10年は戻らないだろう」と話した上で、避難先で村民のつながりを保つため、ワークショップを続けていると紹介した。

 一方、避難指示が続く長泥地区の住民の男性は、「6年経っても、除染もしてもらえず、バリケードを閉められ、いつ戻れるか分かりません。帰るに帰れない、帰っても何もできない。悔しくて残念です」と、涙ながらに語った。

 また、研究者らが村での放射線量の現状を説明したほか、日本大学の糸長浩司教授が、除染した農地ではまずは食用ではなく、バイオ燃料用の植物を栽培することを提案した。