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話題の名札「お名前かくれんぼ」誕生のワケ

2017年2月8日 21:05
話題の名札「お名前かくれんぼ」誕生のワケ

 「お名前かくれんぼ」という名札がネットで話題になっています。この名札の特徴は「遠くでは名前の文字が見えづらく、近くでは名前がわかる」ことです。なぜ、名前を見えづらくする名札があるのでしょうか。

 この「お名前かくれんぼ」は、防犯用として作られた名札です。最近は名札に書かれている子どもの名前を見て、不審者がその子どもの名前を呼びかけると、子どもは自分のことを知っている人だと思ってしまい事件に発展するケースが増えています。

 そのため、名札をつけるのは学校の中だけで、登下校時は外すように指導している学校が多くなっています。しかし、名札を外すのを忘れて下校してしまったり、面倒くさがって外さない子どももいます。

 この名札があれば、遠くからは名前が見えにくいので、不審者が名前を盗み見ることが出来ず、子どもを守ることができるんです。

 ネット上では「広まるといいな」「我が子の学校に導入してほしい」「これを考えなきゃいけない社会が怖い」と言った反応がありました。

 「お名前かくれんぼ」を作ったのは愛知県岡崎市にある自動車関連部品メーカー「飯田樹脂」の女性従業員の皆さんです。製作のキッカケとなったのは、埼玉県朝霞市で誘拐された女子中学生が2年ぶりに保護されたニュースでした。

 女性従業員の皆さんの中には、子育てをしながら働く人も多くいて、「不審者から一人でも多くの子どもを守りたい」という思いから、この名札の開発を考えました。

 飯田樹脂では自動車の部品のほか、名前などを入れたキーホルダーのプレートを作っていたので、ノウハウはある程度あったそうです。

 「近くでは見えるが、遠くでは見えにくい」という仕組みは、光の反射の仕組みを利用しています。材料や文字の書体、彫る深さを試しながら改良を重ねたそうです。

 この名札は去年11月に発売され、値段は1枚500円から。すでに保育園から問い合わせもあったそうです。このプロジェクトのリーダーの山川麻依さんと原まゆみさんは「お名前かくれんぼをつけることで犯罪抑止につながれば」と話していました。

 不審者につけいる隙を与えないためにも、普及してほしいですね。(解説:デジタル編集チーム 小林整司編集長)