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学歴より行動量、ノルマなしの組織作り 3

2017年2月3日 14:13
学歴より行動量、ノルマなしの組織作り 3

 「エスキュービズム」社長・薮崎敬祐氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。3つめのキーワードは「その人がやりたいことをやらせる。学歴より行動量」。薮崎氏が語る組織をつくるうえで重視していること、そして、やってはいけないこととは。


■能力より“やるかどうか”

――薮崎さんはわずか27歳で起業されました。年上の社員の方もいて、ご苦労もあったかと思うんですけれども、組織でいちばん重視したのはどんなことですか。

 私のポリシーとして、能力よりは“やるかどうか”のほうが大きいというのがあります。才能とかセンスなどが1とすると、本人の行動による努力の結果の差のほうが10倍くらい大きいという考えがあって、そこを重視しています。


――いろんな組織をつくるときに、まずは“人”だと伺ったんですけど、その人材探しはどのようにされたのでしょうか。

 1人で起業したので、まずはチームを組む仲間を見つけなきゃいけないと。やっぱり1人で何か事業を考えついても、結局、作る人もいなければ売る人もいなくて、なかなか事業という話にならないんですね。

 そういう最低限必要な仲間がやっぱりいるなと気付いたので、メンバーを見つけるところから始めました。知り合いに「いい人いない?」って聞きながら、毎日飲んでですね(笑)。知り合いを紹介してもらうところから始めました。


■やってはいけない組織のつくり方

――逆に、組織づくりでやってはいけないことはありますか。

 弊社が気にかけているのは、“やる気をなくす”という事が重要だと思っています。大企業だと、「やってもやらなくても評価が変わらない」とか、「やって失敗した方がマイナスだよね」というような議論があるので、こうならないように“やる気をいかに出していくか”ということにすごく注意しています。


――ノルマを課さないと伺ったんですが。

 はい。ノルマって、できる人とできない人のどっちにフォーカスするかというのがあって、ノルマはやらない人をやらせるとき、つまり、罰を与えるって仕組みだと思うんですね。

 やる気がある人は自分でやってるので、最低限のノルマを言われなくても勝手にやるんですよね。でも、ノルマを作ってしまうと、やる気がある人もノルマ分しかやらなくなっちゃうんです。

 なので、採用に気をつけて「サボろう」と思っている人がいなければ、何がなくてもみんな勝手に頑張るので、自然に伸びていく組織になるんです。


■ITで仕事を効率化

――そういう組織づくりで会社を急成長させているわけですが、いま“働き方改革”とか盛んに言われてます。エスキュービズムはITも家電もやっているので、いろいろ仕事が増えていると思うんですね。その中で、効率的な仕事のやり方のポイントというのを教えていただきたいんですが。

 元々IT企業なので、ITのツールの使い方はすごく上手だと思っています。まず、私自身はメールをすごく活用しています。弊社はGmailというグーグルのメールを使用していますが、検索がとにかくはやいんですね。なので、いろんな情報をメールに入れておくと、「あれなんだったけな」とか、書類を探すという手間が全くなくて、メールを検索すればすぐわかりますし、それはスマートフォンでもすぐわかるので、非常に効率的になっています。

 あと、いまシステム開発だと地方のお客様も結構多いんですけども、地方のお客様は“テレビ会議”で出張の時間を大幅に削っています。テレビ会議のシステムってすごく高そうに見えるんですけども、ソニーのプレイステーション3を使うと無料でできてしまうんですね。そういったITを安くうまく活用する手法を見つけて、効率化を図っています。