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「10年先の東芝あきらめないための決定」

2017年1月27日 14:31
「10年先の東芝あきらめないための決定」

 アメリカの原発事業で7000億円近い巨額損失を計上する見込みの東芝は27日、取締役会を開き、主力の半導体事業の分社化を決議した。

 「10年先の東芝をあきらめないための決定だ」-東芝の関係者は、稼ぎ頭の半導体事業を分社化することについて、このように語った。

 分社化されるのは、スマートフォンなどに使われるフラッシュメモリーの半導体事業。3月末に臨時株主総会を開き、株主に承認を求める。

 東芝は、分社化してできるフラッシュメモリー半導体の新会社の株式を、2割程度売却することで資金を得て、原発事業の損失で痛んだ東芝本体を債務超過から守りたい考え。売却先については、東芝内では、将来、経営改善できた時に株を買い戻せるファンドにすべきという声もあがっている。

 一方、今回の巨額損失の元凶であるアメリカの原発事業については、少なくとも利益を生むのが難しい建設事業からは撤退することなどが議論されている。

 東芝は、子会社や保有不動産の売却などで、債務超過は回避できそうだという感触を得ているが、経営の再建には、原発事業の負の遺産をどれだけ切り捨てられるかが大きく影響しそうだ。