トランプ新大統領の就任式と早速打ち出した政策から何が読み取れるのか、そしてこれからの課題について、ワシントンから中継で伝える。

　注目された就任演説だったが、トランプ大統領は終始落ち着いた口調で、「国民に思いを語る」という目標は達していたと思う。しかし、観客席には空席が目立っていて、就任式の参加者はオバマ大統領の時の半分以下と見られている。

　トランプ大統領には熱狂的な支持者も多い反面、真っ向から否定する人々も多く、その対立・分断が参加者の少なさやデモの暴徒化という形で現れたという印象を持った。

　Ｑ．就任初日から大統領令を出すなど、政策面で早くも動きだしたワケは？

　就任時の好感度が４０％と、ここ４０年間の大統領の中で最も低いトランプ大統領にとっては「実績」や「成果」が支持率上昇のカギになる。そうした中、初日から異例の大統領令を出して素早く動くことで、「実行力」「リーダーシップ」をアピールした形。またオバマ政権との「違い」を際立たせる意味もあったと思う。

　Ｑ．トランプ政権の今後の課題は？

　就任演説や政策発表でもトランプ大統領は、従来の公約を声高に訴えたものの、その公約を“どのように”実現するのか、具体的な方策は今回もほとんど語られなかった。

　大統領選の時から、進んでいないという印象は拭えない。大統領となった今、トランプ氏に求められるのは「政策の具体化」を図ることになると思う。