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2月に第1号「小学8年生」編集長に聞く

2017年1月18日 20:52
2月に第1号「小学8年生」編集長に聞く

 先日、「小学8年生」という言葉がネットで話題になりました。

 「小学8年生」とは、小学館が去年夏に「小学二年生」の増刊号として出した雑誌です。

 元々、学年ごとに区切られた「学年誌」は「小学一年生」から「小学六年生」まで発売されていて、1970年代には、6つの雑誌で計500万部程度が発行されていました。

 しかし、少子化や出版不況の影響もあり、2009年から相次いで休刊となり、去年12月に発売された号を最後に「小学二年生」も休刊となってしまいます。

 ちなみに、小学二年生だけで見ますと、最高発行部数のピークは1972年12月の発売号で111万部でしたが、近年は平均6万部から7万部となっていました。そこで、小学館が新たな試みとして作ったのが「小学8年生」なんです。


■全ての小学生が対象

 「小学8年生」は、1年生から6年生まで、全ての小学生を対象にしているんです。なぜ、「8年生」かというと、デジタルになっている数字「8」は「1」から「6」の数字を全て書き込むことができるんです。つまり、全ての小学生が楽しめる学習雑誌として作られているんです。

 この小学8年生という雑誌が、いまネットで話題になっているんです。ネット上では

「マジネタかよ!」
「センスいいなあ」
「学年の幅が開いちゃって大丈夫なの?」

といった反応がありました。

 では、小学8年生は、どんな内容なのでしょうか。去年夏に「小学二年生」の増刊号として出版された「小学8年生」の中身を見ると、付録にあるのが「そうじ風機」。これは組み立てると、ミニ扇風機や掃除機として使うことができるすぐれものです。

 このほかに、夏休みの宿題に悩む小学生が共感できる「どうする宿題大作戦」という漫画や、自由研究工作のページもあります。

 ネットの反応にもありましたが、1年生から6年生まで学年の幅が開くと、1年生でも内容がわかるものなのでしょうか。実は、小学8年生は「潜在学習」の手助けになるような雑誌作りを心がけているそうです。

 例えば、1年生がこれから習う漢字や計算式を見たり聞いたりします。その時は理解ができなくとも、学年が上がった時に、その漢字や計算式を見た時に「これは知っている」と、潜在的に学習が行われることなんです。

 そして、増刊号を経て今年2月に「小学8年生」の第1号を出すことになりました。第1号は「学校のナゾ大研究号」など全ての小学生が楽しめそうな内容になりそうです。第2号は5月、第3号は7月に出版するそうです。


■編集長に聞きました

 小学館はなぜ、この雑誌を作ったのでしょうか。「小学8年生」の編集長の齋藤慎さんに話を聞きました。

 最近は学習の参考にと、インターネットを使う小学生も増えています。しかし、齋藤さんは「ネットで得た知識は、すぐに忘れてしまいがち。小学8年生のような雑誌を実際に手にとって、読むことによって、知識として記憶に残るのではないか」と語っています。

 そして、「小学8年生を通じて、これまで学年誌を読んでくれていた子どもたちに、もう一度戻ってきてほしい」と考えているそうです。

 齋藤さんは「もう一度原点にかえって奇をてらわず、学習雑誌を作っていきたい」とも語っていて、学習雑誌への熱い気持ちが伝わってきました。(解説:デジタル編集チーム 小林整司編集長)