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あえて具無し!「素ラーメン」の狙いとは?

2017年1月11日 15:47
あえて具無し!「素ラーメン」の狙いとは?

 ラーメンに入っているはずの“具”がほとんど入っていない!?あえて、麺(めん)とスープのだけで勝負するラーメン「素ラーメン」とは?


■自家製麺伊藤「中華そば小」

 まず、ご紹介するのはミシュランガイドに選出された名店「自家製麺伊藤」。真智ちゃんの前に運ばれてきたのは「中華そば小」です。どんぶりの中にあるのは、麺とネギとスープ。まさに“かけラーメン”ならぬ“素ラーメン”です。

 真智ちゃん「うん、おいしい!煮干しの香りがふわーって口の中に広がります。そして、この麺が独特。すごく歯切れが良くて、この食感がたまんないです」

 店長によると、スープは、最高級煮干しをふんだんに使っているとのこと。“ふんだんに”との言葉通り、水の量をはるかに超える煮干しでだしを取ります。煮干しを除くと、1杯のずんどうから取れるだしの量はわずか。そこに鶏がらを加え、さらに大量の煮干しを投入。追いガツオならぬ、追い煮干しです。

 麺は水分量を抑えることで、スープを吸っても伸びにくく、なじみやすいのだとか。さらにその日の湿度によって水分量を変えるこだわり。日によって湿度が違うので、毎日製麺するといいます。なぜ、とことん具を排除したのでしょうか?店長は―

 「本当に、麺とスープとネギとシンプルなもので、一番勝負したいなということで、あえて」


■志奈そば 田なか second「至高の塩かけそば」

 そんな潔いお店が秋葉原にもありました。お昼時ともなれば、常に満席になる人気店です。そんなお店が出す「素ラーメン」は…もはや、ネギまで排除された、スープと麺だけのラーメン。しかし、これが衝撃の味わいなんだそう。

 真智ちゃん「うん!うん!やばい!伊勢エビの香りがガツンと襲ってきて、その後からじわじわと貝のうま味がやってきます。優しい甘み、それに深みもあって、いつまででも食べていたいです。というかもうこのスープにつかってしまいたい!」

 このスープに入っているのは、千葉・外房から仕入れたサザエ、伊勢エビ、そしてなんとアワビ。それを約8時間煮込むことで、そのうま味がたっぷりとスープに凝縮されるんです。

 麺はこのラーメン専用で、米粉をブレンド。平打ち麺でスープになじみやすく、もちもちとした食感を生み出すといいます。この贅沢すぎる“素ラーメン”を店主は―

 「一杯のスープ料理として提供したいなと思って、もう麺とスープのみで味わって、いただきたいなと思って」

 素ラーメンには、あえて具を入れない店主のこだわりがつまっていました。